### シルヴィオ・レイテ氏について
セルカ・デ・ペドロ・サンベネディート農園は、2020/21年のクロップで初めての収穫を迎えた、バイーア州ピアタンに位置する6ヘクタールのコーヒー農園です。この農園の生産者はシルヴィオ・レイテ氏で、彼は現在のスペシャルティコーヒー市場を築いた立役者の一人です。
シルヴィオ氏は、小学校時代に地元のナッツとコーヒーを扱う企業を訪問した際、初めてコーヒーのサンプルに触れ、プロのカッパーを目の当たりにし、瞬時にコーヒーの魅力に引き込まれました。その後、ブラジルの大手輸出業者でコーヒーの輸出や生産者との取引、品質管理を学び、コーヒー業界でのキャリアをスタートさせました。
1992年にはブラジルスペシャルティコーヒー協会(BSCA)の設立に関与し、2014年からは会長を務め、ブラジルのスペシャルティコーヒーの基盤を築く重要な役割を果たしました。また、1999年にはジョージ・ハウエルらと共にCup of Excellenceのプロトコルを発足させ、現在もそのヘッドジャッジとして活躍する偉大なカッパーであり、スペシャルティコーヒーの普及に貢献するインフルエンサーでもあります。
### Agricafeでの活動
2003年に独立し、バイーア州にAgricafeを設立。ここでは、高品質なコーヒーを地元のレストランやカフェに卸すロースターとして、また小規模生産者のコーヒーを輸出するエクスポーターとして活動しています。さらに、生産者や地元のロースターへの技術的指導も行うトレーナーとして、シルヴィオ氏独自の取り組みを進めています。日本に訪れた際には、SCAJと連携して品質やカッピング、ロースティングに関するセミナーを開催し、消費国にも大きな影響を与えています。
Agricafeの活動を通じて、バイーア州のコーヒーがCup of Excellenceに選ばれ、多くの農園が注目を集めることとなりました。日本市場でも、この地域特有の爽やかな風味が多くのロースターに支持され、数多くのマイクロロットがAgricafeによって輸出され、人気を博しています。
### セルカ・デ・ペドロ・サンベネディート農園
40年以上にわたりコーヒービジネスに携わってきたシルヴィオ氏にとって、長年の夢が生産者としてコーヒーを生産することでした。そして、その夢を実現したのがこのセルカ・デ・ペドロ・サンベネディート農園です。この農園は、単にスペシャルティコーヒーを生産するだけでなく、ピアタンの小規模生産者にとっての学びの場となり、生産技術や品質のモデルを示すことを目指しています。この農園が地域の小規模農園の道しるべとなり、地域全体が高品質で持続可能なコーヒー生産を実現できることを願っています。