サン・アグスティンの山岳地帯に位置するピタリートから西にあるラ・エスペランサ農園は、世界遺産である南米最大のサン・アグスティン遺跡群を有するエリアとしても知られています。この地域は標高と日照に恵まれ、古くから優れたコーヒーが生産されてきました。
農園は、アベリディオさんとカルロタさんの夫婦によって40年にわたって営まれてきました。彼らは3000本のカトゥーラからスタートし、収入を得て資金を回収し、家を建て、家族を育て、土地を拡大しながら耕作を続けました。この40年間には、多くの物語が詰まっており、彼らは前向きに生活を築いてきたと振り返ります。
しかし、2018年に亡くなったアベリディオさんは、コーヒーの生産に人生を捧げたアルト・デル・オビスポのリーダーでした。彼は常に謙虚で前向きな姿勢でコーヒーに取り組み、偉大な生産者として称賛されていました。また、Banexportの創業時からのパートナーであり、共に多くの挑戦と検証を経て、スペシャルティコーヒー生産の指針を築いた生産者の1人でもありました。
農園は整然と区画されており、定期的なカットバック作業により各区画ごとに健康なコーヒーの木が育ち、安定的な収量が生み出されています。この品質と収量の安定化への取り組みは、地域の模範事例としてアベリディオさんが努力してきた証でもあります。
発酵工程や乾燥プロセスも、Banexportとの綿密な検証の結果、気象条件やミューシレージの状況に応じて柔軟に調整されています。チェリーの場合、20時間の発酵後に果肉が除去され、さらに発酵槽で24時間のドライファーメンテーションを行う「ダブルファーメンテーション」が基本です。その後、ミューシレージの厚さに応じて発酵槽での時間が調整されます。
乾燥工程も重要で、農園には屋根が稼働する「カーサ・エルバ」と呼ばれるコンクリートパティオとビニールハウスがあり、天日乾燥・日陰乾燥・ハウス内での乾燥が適切に管理されています。さらに、コロンビアでは年に2回収穫が行われるため、収穫期に降雨が多いことから、これらの対策が重要です。
ラ・エスペランサ農園は、地域のスペシャルティコーヒーの先駆けとして活動してきました。アベリディオさんが培ってきた品質への取り組みは、カルロタさんや2人の子供たちに引き継がれ、そしてウイラの多くのコーヒー生産者にとって教科書となっています。