TERA COFFEE SAS ― 小さな農家が誇りをもって生きるために
このロットは、コロンビア・ウイラ県南部ピタリト周辺に暮らす12の小規模生産者によって生み出された、高品質なスペシャルティコーヒーです。
彼らを束ねるのが、2015年に設立された生産者グループ〈TERA COFFEE SAS〉。拠点をウイラ県とナリーニョ県に置き、それぞれ【TERRAVERDE(ウイラ)】と【Ecoterra(ナリーニョ)】の2つの組合として活動しています。現在、ナリーニョで約140名、ウイラで約120名のパートナー農家が参加し、地域に根ざしたスペシャルティコーヒーの生産を進めています。
創設者ウベマル・ラッソの想い
TERA COFFEEは、コーヒー生産者ウベマル・ラッソ氏の「小さな農家でも、直接市場とつながれるようにしたい」という想いから始まりました。
彼は家族経営の形でTERA COFFEEを立ち上げ、志を共にする仲間たちと生産者組合を結成。マイクロロットを中心とした高品質コーヒーの生産を通じて、生産者の収入向上と誇りの回復を目指しています。
ウベマル氏は、「限られた土地でも幸福に暮らせるように」という理念のもと、品質向上の努力を惜しみません。コーヒーがただの作物ではなく、“生きる希望”として農家とその家族を支える存在であることを信じています。
文化と土壌を守る生産スタイル
ウベマル氏は長年の経験を活かし、全てのパートナー農家を一軒ずつ訪ね、農園ごとの課題を共に分析します。ピッキングや乾燥方法の改善から、栽培・管理技術のアップデートまで、各農家に最適なアドバイスを行い、品質と収益の両立を支えています。
また、TERA COFFEEでは、コロンビアの伝統的な“パン・コジェール”と呼ばれる混植文化を尊重しています。コーヒーの木の間には、バナナ、トウモロコシ、豆類、オレンジ、アボカドなどが共に育ち、土地に多様性と豊かさをもたらしています。これにより土壌の浸食が防がれ、微気候が安定し、結果としてコーヒーの風味にも好影響を与えています。
持続可能な未来へ
品質向上によるプレミアム収入は、生産者の生活環境を改善し、子どもたちの教育支援や農園設備への再投資を可能にしました。
TERA COFFEEの活動は、単なる「高品質コーヒーの生産」ではなく、「地域に根ざした持続可能な幸せの循環」を育むことそのものです。