ロス・クレストネス・ミル(Los Crestones Mill)
ロス・クレストネス・ミルは、コスタリカ南部の辺境に位置する10のコーヒー生産者家族による協同組合です。標高の高い国の最高峰、セロ・チリッポのふもとに広がるこの地域は、かつてコーヒー生産地としては知られていませんでした。
この地に住む家族たちは、以前はトマトやピーマンなどの繊細な野菜の栽培を生業としていました。しかし、次第にコーヒーが将来性のある産業であることに気づき、やがて主な作物としてコーヒー栽培に移行していきます。
ところが、ブルンカ地域で生産されたコーヒーは、その多くが低地で育てられたため、品質に関する悪評が広まり、果実の価格も低下。採算が合わなくなっていきました。そんな中、この10家族はリスクをとって団結し、自分たちのマイクロミル(小規模精製所)を立ち上げる決断をします。
それから15年。彼らの挑戦は見事に実を結びました。現在では、共同で栽培・精製を行い、持続可能な形で高品質なコーヒーを輸出しています。
ロット名:エル・ロブレ(El Roble)
“エル・ロブレ”とは、スペイン語で「オークの木」を意味します。
その名の通り、このロットは、コーヒーの木々の間に点在する非常に古く大きなオークの木々が象徴的です。
他の生産者が日照を確保するためにオークの木を伐採する中、この農園では自然のままを尊重し、オークの木を一切切らないという選択をしました。こうして守られた農園の生態系は、コーヒーの木にユニークな生育環境を提供し、土壌状態の改善にもつながっています。
この農園では伝統的な品種に加え、将来性あるハイブリッド品種の栽培にも挑戦。特に注目されているのが「ミレニオ(Milénio)」です。これは、さび病に強いT5296とエチオピア在来種スーダン・ルメを掛け合わせたF1ハイブリッドで、フランスのCIRADと中米のコーヒー研究機関(PROMECAFE、CATIE)によって開発されました。
F1ハイブリッドは、病害に強く、収量が高く、味わいにも優れた新世代の品種ですが、多くの農家は導入に慎重です。そんな中、ロス・クレストネスは先駆けてこの品種を導入し、ある年にはゲイシャも出品される中で、カップ・オブ・エクセレンス3位に輝く快挙を達成しました。