ラ・レフォルマ農園
ラ・レフォルマ農園は、1892年にラファエル・アルバレス・ラリンデ氏がサンタ・アナ火山の斜面を切り拓いて始めた、歴史ある農園です。コロンビア出身のラファエル氏は、この地に移り住み、豊富な知識とアイデアをもとに新たなコーヒーのレガシーを築きました。以来100年以上にわたり、農園は代々受け継がれ、現在は5世代目がその伝統を守り続けています。
長い歴史の中で、アルバレス・ファミリーは気候変動や害虫、サビ病など、数々の困難に直面してきました。2011年には、レフォルマ農園のブルボンがCup of Excellenceで91.72点を獲得し3位入賞という快挙を達成しました。しかし翌年、中米全域を襲ったサビ病の大流行により、収穫ゼロの年を経験するなど大きな試練に見舞われます。
それでも彼らはブルボンの苗木を再植し、徹底したケアを重ねて農園を再興しました。その強い情熱と信念によって、今もなおブルボン品種を守り続けています。さらに近年は、SL28やゲイシャ、オレンジブルボンといった新しい品種にも挑戦し、区画ごとに少量生産を行っています。
エル・ボルボジョンミル
1984年、4代目エドゥアルド氏とその兄弟たちは「エル・ボルボジョン」と名付けたコーヒーミルを設立しました。この施設は、コーヒーチェリーの水洗処理(ウェットミル)、最終精選(ドライミル)、そして輸出までを一貫して担う重要な拠点です。レフォルマ農園のチェリーもすべてこのミルに運ばれ、輸出に至るまでの全工程をボルボジョンで行っています。
また、従兄弟にあたるマラカラ農園のギジェルモ氏とも連携し、マラカラで仕上げたドライパーチメントをボルボジョンで脱殻・精選して輸出しています。現在では親族に限らず、周辺の150以上の農園のコーヒーを扱い、年間約70コンテナを輸出。地域社会において欠かせない存在となっています。
クオリティとマネジメント
ボルボジョンは「コーヒーの品質」を最も重要な指針としながら、環境保護や人との信頼関係を大切に運営されています。5代目のエドゥアルド氏は工業・システム分野のエンジニアでもあり、その知識やテクノロジーをコーヒー生産に積極的に活用しています。
従業員へのトレーニングや雇用改善、健康やレジリエンスを重視し、環境面では水処理の徹底、廃棄物ゼロの取り組み、植林活動を継続。バリューチェーン全体で持続可能な生産体制を築いています。
彼らにとって「品質を高めること」は、単に味わいを追求するだけではなく、人と環境の調和と一体となって実現されるものなのです。