COEファイナリスト / 2008年,2009年,2017年,2018年
高品質品種として、ぜひ覚えて頂きたいパカマラ種。
近年ではベストオブパナマでのエスメラルダの衝撃で、ゲイシャ種が一般的にもよく知られるようになりました。
私の大好きなマニアックの品種の歴史などは一旦おいておいて、パカマラは甘さと華やかさを兼ね備えた果実を存分に体験できる品種です。
今回はエルサルバドルの名手であるフェルナンドさんが丁寧に育てたパカマラのパルプド・ナチュラルです。
とにかくジューシーで巨峰のような奥行きのあるグレープ。
マンゴーのような明るい果実味も大きな特徴ですね。
Flavour
マンゴー、巨峰、カラメル、チョコレート、スウィートフィニッシュ
農園名
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ラスラデラス |
生産地
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標高
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1700m
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栽培品種
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パカマラ
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精製処理
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パルプド・ナチュラル(ハニー)
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①12-4月にかけて収穫
②Los Balcanes Micro Millにてパルピング。
⓷発酵槽にてドライ発酵後アフリカンベッドで水分値11%になるまで乾燥
④その後袋に入れて最後の仕上げの処理をクツカチャパ乾燥・出荷場で行う。ここでは最終的に欠点豆の除去や豆のクリーニングを手作業で行う
⑤最後にパッキング(グレインプロや真空)。麻袋にマークを入れ目的地まで出荷
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Story of the coffee
エルサルバドル最大の処理場(日本でいう農協)の役員を務めるフェルナンドさんは、多数の農園を所有・管理しています。

**Q: 育った環境は?
私は14人兄弟の大家族で育ち、父はとても厳格で、母も躾に厳しい人でした。父は医者であり、コーヒー業は副業として位置づけられていました。しかし、私の家系は150年前からコーヒー業に従事しており、それは既に伝統の一部となっていました。
私自身、幼い頃から自然が大好きで、すぐに農園に夢中になりました。14歳の頃から栽培に関わり始め、学校が終わるとよく父に農園へ連れて行ってもらいました。内戦の間も、危険な山間部を訪れて農園の手入れを毎日続けました。その頃、夜中に外で銃声が鳴り響いていたことを覚えていますが、朝になると何事もなかったかのように普段の生活が営まれていました。
リマさんの生産するコーヒーは約60%はスペシャルティコーヒーとしての品質を維持し、残りの40%は品質面は達していませんがオーガニック認証は得ています。
品質を高められる農園は改善を加え、味の面で難しい農園はそうした付加価値で補っているそうです。
現地ではリマさん所有の農園と処理場はもちろん、エルサルバドル最大の広大な乾燥処理場も見ることができ、輸出直前の状態までを知ることが出来ます。
**Q:当時と今の違いは?
昔は価格の乱高下こそあったものの作り方はシンプルでした。
今日は昔では考えられない病気や天候の変化襲い掛かってくるため、日々その変化に対応する力が求められています。
しかし、高品質のコーヒーが味で評価される時代に入ったことは喜ばしく、従事していることに満足しています。
スペシャルティコーヒーとの出会いは私の気持ちを高め、良いものを作ればきちんと味で評価されるなんて、以前では考えられないことでした。
**Q:やりがいを感じる瞬間は?
初めて来日した際に、私のコーヒーを日常的に飲んでくれている日本人のお客様に「あなたのコーヒーを飲んでから概念が変わりました」と言われ、大きな衝撃を受けました。
私の生産する豆が”単なる飲料の原料”という見方から大きく変わったのです。
同時に自分の仕事に大きな誇りを持つことができ、さらに美味しく作りたいと強く思うようになりました。
ご存じの通り、一度美味しいコーヒーを飲むと二度とまずいコーヒーには戻れませんから。
これからも情熱と誇りをもって取り組んでいきます。