年末年始をちょっとだけリッチなコーヒーと共に過ごしてみませんか?
まるで赤ワインを飲んでいるような芳醇なグレープを感じるトップスペシャルティのコーヒーをご用意しました。
ほのかに芳るラベンダーのような花の香りも他にはない特別な一杯を彷彿させてくれます。
焙煎士コメント
エチオピアといえば、伝統的なウォッシュド・ナチュラル製法が有名ですが、今回は「アナエロビック・ナチュラル」。
近年、発達してきている「嫌気性(アナエロビック)発酵」プロセスが少しづつエチオピアにも浸透してきました。
元々はワインの発酵からヒントを得てコーヒーに応用されていることもあり、飲んでみると「ワインっぽい」と感じられる方も多いのではないでしょうか。
発酵プロセスが余分に必要な分、嫌気性発酵の豆は高価になりがちです。
さらにゲシャビレッジと同地区での栽培と考えると、焙煎士的には「ちょっと安すぎるのでは?」と感じております。
今後、この価格帯で手に入るかわからないので、この機に飲んでおくことを強くお勧めしておきます。
これまでのエチオピアとはまた違った印象を受けるカップとなるはずですので、ぜひ一度飲んでみて頂きたいコーヒーです。
Flavour
ラベンダー、アメリカンチェリー、グレープ、プルーン、キャラメル、ワイニー
Farm Information
農園名:ゲシャ・カルマチ農園
生産地:ベンチ・マジ、ゲシャ地区
標高:1800-1980m
栽培品種:原生品種(ゲシャ種ほか)
精製処理: アナエロビック・ナチュラル
グレード:トップスペシャルティ
Story of the coffee
エチオピア南西部のベンチ・マジ地区は、最後まで豊かな自然が残る地域として知られています。特に、ゴリ・ゲシャ・フォレストは、ゲイシャ種の発祥地として称され、2010年代になると急速に注目を浴びました。これまで影が薄かったベンチ・マジのコーヒーは、暖かい気候と自然に恵まれた環境、そして多様な生態系が育む素晴らしい風味のコーヒー産地として、世界中で評価されるようになりました。
エチオピアのスペシャルティコーヒーの輸出とウォッシングステーションの運営を手がけるトラコン・トレーディング社は、エチオピア各地でウォッシングステーションを展開し、コーヒー生産活動を支えています。彼らは特にベンチ・マジ地域の美しい自然に魅了され、この地にウォッシングステーションを設けました。さらに、2017年には地元の農民にアドバイスや生産技術の伝達を目的として、ゲラ農園とゲシャ・カルマチ農園の2つの自社農園も設立しました。
ゲシャ・カルマチ農園は、ゴリ・ゲシャ・フォレストから15km離れた標高1800-1980mの場所に広がる農園で、年間約600袋のコーヒーを生産しています。農園では、ゴリ・ゲシャ種やゲシャ1931種など、ゲシャの森に自生するコーヒーの苗木を育て、生産量を増やす取り組みも行われています。農園とウォッシングステーションの管理は50名の従業員によって担われ、彼らはこの地のコーヒーが高品質なエチオピアコーヒーの新たな選択肢として認知され、期待に応えるべく情熱をもって働いています。
収穫作業は、適切な熟度と色調を備えたコーヒーチェリーを選別するセレクトピッキングだけでなく、収穫後に再度選別を行うことで、より均一な熟度を確保します。その後、ベンチ・マジ・ウォッシングステーションに搬送され、水を張ったタンクにチェリーを投入することで、比重の軽いチェリー・フローターや不純物が取り除かれます。
今回のアナエロビック・ナチュラルプロセスでは、フローターが取り除かれた水を切るためにアフリカンベッドで短時間乾燥させ、その後嫌気性発酵の段階に進みます。嫌気性発酵は、バルブのついたビニール袋にチェリーを投入し、酸素を排除した状態でウォッシングステーション内の保管庫で行われます。昼夜の発酵度合いや温度を注意深く管理し、定期的に発生したガスを排気して、3日から7日かけてプロセスが進行します。豆のpH値、色合い、香りを検査し、最終的な判断が行われたら、アフリカンベッドでの乾燥工程に進みます。
アフリカンベッドには、通常の天日干しのエリアだけでなく、屋根のある日陰のエリアも備えられており、これらを柔軟に組み合わせて、20日から30日かけてゆっくりと水分を整え、コーヒー豆を完成させます。