**El Injertoの歴史と功績**
El Injertoは、スペシャルティコーヒー界で最も知られる農園の一つとしての地位を確立しています。その名が国際的に広まるきっかけとなったのは、2002年の「Guatemala Cup of Excellence」でした。そこで同農園のコーヒーは、初出場で33農園中2品目が入賞し、1つは3位にランクインするという驚くべき成果を挙げました。華やかでフローラルな風味を持つこのコーヒーは瞬く間に世界の注目を集め、その後、2008年の同コンペティションではついに1位を獲得し、1ポンドあたり$80.20という当時の最高価格を記録しました。
El Injerto農園の始まりは、1874年にヘスス・アギーレ氏が設立したことに遡ります。当初、彼はさとうきびやタバコの栽培から始め、1900年にはコーヒーの栽培を始めました。農園の名前は、この地に自生していたフルーツの名前に由来しています。現在、アギーレ家の3代目と4代目が1956年から農園の運営を引き継ぎ、世界屈指のコーヒー農園としてその名を広めています。
**パカマラ種の歴史**
インヘルト農園におけるパカマラ種の栽培は、約25年前にアルトゥーロ・アギーレ氏がエルサルバドルから直接種を購入して植えたことに始まります。当時、パカマラ種のエキゾチックなフレーバーはバイヤーにはあまり人気がなく、そのために他の品種と抱き合わせで販売したり、割引をして販売することが多かったといいます。しかし、時代と共にその評価は変わり、現在ではインヘルトの象徴的な品種の一つとなっています。
**農園内の区画の多様性**
農園の中でも、比較的新しい「パタゴニア区画」は標高1,750〜1,900メートルに位置し、多様な品種を育てる実験的な区画です。ここではパカマラだけでなく、ブルボンやゲイシャなども栽培され、その特性を研究し続けています。また、パンドラ区画はパカマラが初めて育てられたエリアであり、理想的な日射条件を持つ場所として知られています。現在のパタゴニア区画のコーヒーは、植樹後の年数を重ねるごとに風味がしっかりと定着し、高地特有の明るさと爽やかさを感じさせる仕上がりとなっています。農園の各区画ごとの風味の違いを楽しんでほしいと農園主は語ります。