グアテマラ北西部、ウエウエテナンゴ県のラ・リベルタ村に位置するエルインヘルト農園は、総面積750ヘクタールの広大な土地のうち、約250ヘクタールをコーヒー栽培に充てています。この地域は、年間を通じて平均気温が16〜28℃と冷涼で、年間降水量も1,800〜2,000mmと適度であるため、コーヒー栽培に最適な環境です。さらに、有機物に富んだ火山性土壌が特長で、明確な乾季が均一な開花と成熟を促進します。その結果、最高品質の酸味、しっかりとしたボディ、豊かな風味、そしてほのかにワインを思わせる香りを持つコーヒーが生産されます。
農園では、すべての工程に対して真摯な姿勢で取り組んでいます。手入れが行き届いた木々は、形や枝ぶり、葉の色、実の成り方が見事で、その質の高さが一目でわかります。堆肥には、ミミズを活用した有機肥料を使用し、環境への配慮も徹底しています。また、敷地内には470ヘクタールの天然雨林があり、多様な動植物の生態系を守るとともに、農園に適した気候条件を提供しています。
収穫は、熟した赤い実のみを手摘みし、伝統的な水洗処理による精製を行います。果肉除去後は60〜72時間かけて発酵槽で熟成させ、山からの豊富な湧き水で丁寧に洗浄します。こうして甘みを十分に引き出したパーチメントコーヒーは、パティオでじっくりと天日乾燥されます。さらに、農園内には独自のドライミル(選別工場)も備え、すべての工程を一貫して管理しています。
グアテマラのナンバーワン農園としての誇りが、こうした取り組みに現れています。優れたコーヒーを生産するために、オーナー自らが徹底的に研究と管理を行い、伝統的なグアテマラの生産技術を守り抜いた結果、エル・インヘルト農園のコーヒーは卓越した味わいを実現しています。この農園のコーヒーは、グアテマラのスペシャルティコーヒーコンペティションで毎年上位に入賞し、その品質の高さからグアテマラのスペシャルティコーヒーの頂点に立つ存在といえるでしょう。