グアテマラ南東部のコーヒー生産地であるニューオリエンテに位置するJalapa(ハラパ)県には、モンテ・カルメロ農園があります。この農園のオーナーであるフランシスコ・ウルティア氏は、グアテマラの農学者であり、植物栄養学、食物生理学、微生物学などの分野を専門としています。彼は農学者として、生産者への技術的アドバイスや、特に低所得農家を支援する社会的な取り組みに注力しています。
ウルティア氏は、標高1800-2000mのハラパ地域におけるコーヒー生産の可能性を探るため、研究と実地試験を行っています。その成果を背景に、生産性の向上や品質の向上を目指す取り組みが成功を収め、2010年にモンテ・カルメロ農園が設立されました。
彼の研究の一環として、果樹やその他の園芸作物の総合的管理に関する研究があります。モンテ・カルメロ農園は、この研究成果を活かし、アボカド、アプリコット、オレンジ、マンダリンなど様々な作物を混合して栽培することで、多様性に富んだ環境を築いています。このような混植は、地域の生物多様性を豊かにし、土壌の微生物の多様性を増加させ、結果として病害虫の抑制や生産性の向上につながります。
従来行われてきた単一作物の大規模生産に依存するモノカルチャーと呼ばれる方法に対し、ウルティア氏は持続可能な農業を実現するために混合農業的手法を採用しています。この方法論は、生物の多様性を保護し、森林生態系の劣化や減少を防ぎます。
品質と環境への配慮を重視するモンテ・カルメロ農園は、持続可能な農業を実践し、環境と生態系を保護しながら優れたコーヒーを生産しています。
プリズマコーヒーオリジンズは、グァテマラのコーヒー輸出業者の一つであり、2013年にエドゥアルド・アンブロシオ氏によって設立されました。アンブロシオ氏は、世界を代表するカッパーの1人であり、Cup of Excellenceのヘッドジャッジを務めています。彼は妻のルシア氏と兄弟のエドウィン氏と共に、様々な生産者と協力して高品質なコーヒーの生産に取り組んでいます。
「PRISMA」という名前は、コーヒーが持つ多様で輝かしいフレーバーに着想を得ています。同社のミッションは、グァテマラ国内から最高級のコーヒーを紹介することであり、特に僻地の小規模生産者を支援し、彼らが生産したコーヒーの品質と価値を世界のスペシャルティコーヒーバイヤーに認識してもらうことです。
アンブロシオ氏は、2012年までAnacafe(グアテマラ・ナショナルコーヒー協会)のマスターカッパーを務め、15年以上にわたり品質管理の責任者として小規模生産者の品質保証プログラムを指導してきました。彼の卓越したカッピング能力や味覚センスは、世界中の多くのカッパーに影響を与えており、一部ではNo.1と称されるほどです。彼は多くの小規模農家が品質向上に努めることで成功を収めるよう支援し、グアテマラの生産者と世界中の人々を結ぶ架け橋として活躍しています。