エル・ススピロ農園は、アランフェスの山々に抱かれたマタガルパ北部に位置する、ミエリッヒ・ファミリー所有の農園の中で最もコンパクトなものです。マタガルパのメイン道路から山道を進むと、原生林に囲まれ、小さながらも美しく整備されたエル・ススピロ農園が広がります。この土地は、ミエリッヒファミリーが保有する農園のなかでも水源が豊富なエリアであり、ここではブルボンを主体にカツーラやカトゥアイが栽培され、その水源を最大限に活用したウォッシュドとパルプドナチュラル・プロセスのコーヒーが生産されています。
年間の総生産量は、全品種を合わせても約80袋に過ぎませんが、その中でもミエリッヒ・ファミリーが毎年開催するプライベートオークションで注目を集めるのが、エル・ススピロ農園で生産されるブルボンのパルプドナチュラルです。エル・ススピロ農園は所有する農園の中でも高地に位置し、豊かな土壌と原生林によるシェードが絶妙に調和しており、これがブルボン種を栽培する理想的な環境を提供しています。この特有の生産環境が、非常にフルーティでフレーバフルなコーヒーを生み出しています。
農園のパルパーなどは、他の所有農園に比べて経年劣化が進んでいるため、パルピング前までのチェリーの熟度やピッキング、粗選別が一層重要となります。そのため、生産量を大幅に増やすことは難しく、少ない生産量ゆえに農園の各木への細やかなケアが可能であり、チェリーのピッキングの精度向上にも寄与しています。