**Finca La Bendición(フィンカ・ラ・ベンディシオン)**は、ニカラグアのヌエバ・セゴビア州にあるディピルト=ハラパ山脈に位置し、コーヒー栽培に105エーカーの土地を有しています。そのうちのコーヒー栽培地では、管理者であるルイス・アルベルトが、カトゥーラ、レッド・カトゥアイ、ハイブリッド、ビジャ・サルチ、パカマラ、マラカトゥーラ、H-3、マルセリェサ、SL-34、ジャバといった多様な品種を育てています。農園の土壌は水はけのよい砂質で、有機物(腐植)が豊富に含まれており、年間1,400~1,600mmの降水量があります。
各ロットには細心の注意が払われ、丁寧に管理・精製されています。このハニー製法のロットでは、完熟したコーヒーチェリーを慎重に収穫し、ウェットミルへ運びます。その後、浮力選別を行い果肉除去した後、すぐに**Beneficio Las Segovias(ベネフィシオ・ラス・セゴビアス)**へ移送され、アフリカンベッドで21~25日間乾燥させます。
また、ナチュラル製法のロットでは、同様に丁寧に収穫された後、浮力選別を行い、そのままBeneficio Las Segoviasに運ばれ、アフリカンベッドで25~30日間乾燥させます。
「La Bendición」のルイス・バリャダレス氏、ニカラグアCOEで1位を獲得
「La Bendición(ラ・ベンディシオン)」のルイス・バリャダレス氏は、今年のニカラグアCOE(カップ・オブ・エクセレンス)で見事1位を獲得しました。彼は穏やかな口調で話す家族思いの人物であり、代々続くコーヒー農家の家系に生まれました。現在は**Beneficio Las Segovias(ベネフィシオ・ラス・セゴビアス)**のゼネラルマネージャーとして運営を担い、すでに子どもたちも彼を支えながら日々の業務に携わっています。また、地元の教会で牧師を務めるなど、地域社会への貢献にも熱心です。
「La Bendición」とルイス氏の家族は、4世代にわたってコーヒー栽培を続けてきた家族経営の農園の一員です。現在、娘が事業をサポートし、5代目としての役割を担い始めています。彼らがCOEに参加し始めたのは2007年のこと。過去にもCOEで入賞した経験はありましたが、2018年に初めて91.80点というスコアで1位を獲得しました。
ルイス氏は、高品質なコーヒーを育てるには多くの要素が影響すると考えています。彼はこう語ります。
「天候など、私たちには制御できない要素もあります。しかし、農園では、コーヒーに影響を与えるあらゆる要素を細かく記録しています。月の満ち欠けから、品種特性、さまざまな発酵プロセスまで。そして、乾燥時間も慎重に管理しています。」
試行錯誤を繰り返しながら、彼らの精製プロセスは伝統的な手法から、より精密なエンジニアリング技術へと進化してきました。
「完璧なプロセスやステップというものは存在しません。私たちは常に試行錯誤を重ね、日々品質を向上させることを目指しています。」
ニカラグアのコーヒー農家が直面する課題
ルイス氏は、ニカラグアのコーヒー農家が直面する最大の課題の一つは資金調達の難しさだと指摘します。
「多くの農家はスペシャルティコーヒー市場にアクセスできず、その結果として低価格での取引を強いられています。」
しかし、彼はニカラグアのスペシャルティ市場には大きな可能性があると確信しています。
「異なる品種や精製プロセスを活用することで、ニカラグアは世界的なスペシャルティコーヒーの供給地になれるはずです。さび病の影響を受けた後、多くの農家が新しい品種を植え、その結果がCOEでの高評価につながっています。」
COEがもたらした影響
最後に、ルイス氏はCOEがもたらした変化について語ります。
「COEがニカラグアで始まった当初、私たちの視野が大きく広がりました。自分たちが生産しているコーヒーの品質を知ることができたのです。COEは品質向上の原動力になりました。そして、世界には高品質なコーヒーに対して適正な価格を支払う人々がいることを発見しました。」
そして最後にこう締めくくります。
「今年は、コーヒーにおいてこれまでで最も困難な年でした。しかし、神の恵みと、ここから得た学びに心から感謝しています。」